
マネージド・フューチャーズ(CTA)型のヘッジファンドには以下の特徴があります。
相場に左右されない絶対収益追求型の運用
伝統的な運用は、相場のベンチマーク(平均)を上回る実績を出すことを目標とし、それらは相対収益追求型の運用と呼ばれます。ベンチマークとは具体的には各相場の代表的な指標(日本の株式市場であればTOPIXや日経平均株価)を言います。
この運用の特徴は、相場の上昇局面ではプラスの成績が出やすい一方、下落局面ではマイナスになりやすいことです。また、ベンチマークを継続的に上回ること自体が困難との見方もあります。
これに対して絶対収益追求型の運用は、毎年、相場の上下にかかわらず一定のプラスの成績を出すことを目標に運用する手法です。
近年、相対収益追求型の運用成績では満足できない富裕層を中心に、絶対収益追求型の運用へのニーズが増大しています。
もちろんすべてのヘッジファンドが毎年プラスとなるわけではありませんが、様々な運用手法を駆使した結果、長期に渡り、安定したプラスの実績を残しているファンドも数多く存在します。
トレンドフォローのマネージドフューチャーズ
様々なヘッジファンドの中でも、リーマンショック以降、マネージドフューチャーズ(CTAとも呼ばれます)が注目されています。
マネージドフューチャーズとは、主に先物を利用して売買をするファンドのことを言いますが、中でも相場のトレンドを見極め、上昇局面はロング(買い持ち)で、下落局面にはショート(売り持ち)で機械的に売買する手法をトレンドフォロー戦略と言い、ほとんどのマネージドフューチャーズの運用戦略となっています。
トレンドフォローの哲学は、「相場が上がるか下がるかを予想しポジションを張るより、相場のトレンドに乗ったほうが利益が出やすい、なぜならトレンドは一定期間継続する傾向があるから」というものです。
また多くの場合、人の判断に頼らないシステム売買を採用しています。なぜなら、「人の判断は常に主観的で間違えやすく、これを可能な限り排除しコンピューターによる分析に特化したほうが良い結果が得られる」との思想に基きます。
ただし、最近は同様の手法で運用するファンドが増えてきておりリターンが出しにくいので、ゴールド(金)のパーフォーマンスと組み合わせ高リターンを出すファンドも増えてきています。
分散効果の高いオルタナティブ投資
これらヘッジファンドを代表する新しい運用手法を総称してオルタナティブ投資(代替投資)と呼びます。
これら投資手法の最大の特徴は、株式や債券などの伝統的運用に対し、値動きが低相関、あるいは逆相関になっていることです。つまり、伝統的な運用によるパフォーマンスと、値動きの関連性が薄い、あるいは逆の動きになっていることです。
これは分散投資という観点から見ると極めて重要なことです。同じ値動きする資産、運用手法をいくら組み合わせてもその分散効果は限界がありますが、異なる値動きをするものを組み合わせると分散効果が飛躍的に向上します。(ちなみにこの考え方は、1990年にノーベル経済学賞を受賞した米大学教授マーコビッツのモダンポートフォリオ理論の基礎となる理論です)
マネージド・フューチャーズは分散効果が極めて高く、ポートフォリオ構築の点からも、組み入れることの意義は大きいと言えます。
下図は従来型ポートフォリオに、代表的マネージド・フューチャーズを20%組み入れた場合の、各指標の改善例を示しています。
マネージド・フューチャーズ組み入れによる分散効果: ▲クリックすると拡大します
金投資と組み合わせたハイブリッド型も登場
ただし、同様の手法で運用するファンドが最近増えてきたため、単純なトレンドフォロー型は過去の高パフォーマンスを出しにくくなってきたと言われます。
また、米ドル、ユーロなどの通貨の信認が揺らいでいるこもあり、無国籍通貨と呼ばれる金を通貨とみなし金相場に参加する仕組みのものが登場しています。これらは、世界的なインフレ懸念を背景に、今後も金の上昇相場が予想されるため、しばらくの間マネージドフューチャーズの主流となりそうです。
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