豊かなアジア 埋もれる日本

最近アジア(除く日本)の躍進を伝える記事が増えていますが、今朝の日経新聞にも同様な記事が出ていましたのでので紹介いたします。以下引用、

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「豊かなアジア 埋もれる日本」
- 購買力平価で見た1人あたりGPD 台湾や韓国 猛追

「豊かさ」を示す1人当たりの国内総生産(GDP、購買力平価ベース)で、アジアの新興地域が日本を急速に追い上げている。台湾は2010年が約3万3800ドル(約287万円)と、日本を上回る見込み。韓国も10年間で約1.8倍に増え、日本の水準に迫る。円高の影響もあって名目ベースの1人当たりGDPは日本がまだ上だが、生産性の高い製造業が立地するアジアの生活水準は大幅に向上している。・・・・

台湾の1人あたりGDPは07年に3万ドルを超え、今年は初めて日本の上回る見込だ。...世界ランキングも10年前の30位から10年には24位に上がる。
韓国も日本を猛追する。一人当たりGDPは10年に約2万9400ドルとなり、最近10年で格差は半分に縮まった。 現在のペースで韓国の一人当たりGDPの伸びが続けば、18年ごろには日本の水準を上回る。日本は1990年前半にシンガポールに、00年に入っても香港にも抜かれており、アジア各国・地域が「豊かさ」で次々と追いついてきた格好だ。
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さすがにこの記事を読んだ瞬間、まさかと思いました。一人当たりGDPが以前シンガポールに抜かれたことは知っていましたが、まさか香港や台湾にまで抜かれているとは・・

しかしよく読むと、「購買力平価基準」の一人当たりGDPの比較ということでした。
これは、各国の物価が等しくなるような理論上の為替レートを用いた数値なので、物価の安い国の為替レートは実勢より高く評価され、物価の高い国の為替レートは実勢より低いレートで評価されているということになります。

購買力平価で有名なのが、「ビックマック指数」ですね。例えば米国でビックマックが3ドルで販売されており、日本では300円ならば、それらを等しくする為替レートが購買力平価の為替レートということなります。この場合は1ドル=100円ですね。(例え実勢のレートが85円だとしても。)実勢の為替レートが、購買力平価と乖離が大きい場合、長期的には、購買力平価のレートに収斂してゆくと言われます。(実際どの程度検証されているかは不明ですが)

よって物価の安い台湾などは、「購買力平価基準GDP」は実勢の「名目ドル基準GDP」よりも高く表示されるため、このような逆転現象が起きているのだろうと思います。
事実、「名目ドル基準」で見た日本のGDPは、シンガポール、香港、台湾より上位に位置されています。(いつの間にか、経済好調なシンガポールを抜き返していました。)

ということで、少し安心しましたが、ただこれは、購買力平価で見た場合、他のアジア通貨に対して日本円が割高になっている証拠でもあります。名目ドル基準でシンガポールを追い越したのも、単に実力以上の円高の影響と言えます。
よって、将来、各国為替レートが購買力平価に徐々に収斂すると考えれば、今の円高局面で円を売り他のアジア通貨を買うということが有効な手段となります。

直感的に理解しやすいのは、人民元ですね。明らかに中国の経済ファンダメンタルズに比べ、そして日本円に比べ、割安な状態にあると言えます。(ただ中国の場合、政治的要因が大きく、すぐにそれが修正されないのは周知のとおりですが)
他のアジア通貨も多かれ少なかれ割安な状態にあり、将来修正されてゆく可能性は高いと思います。

少なくとも為替水準で日本が「勝っている」うちに、それを最大限利用したいものです。いつか為替でも負ける時代が来るような気がしています。